『ナマズ日記2011:極月』


鈴木隆夫



 日本各地で初雪のニュースが流れ始めた頃、関東にも寒波がやってきた。そのせいかナマズのバイトが見事なまでになくなった。川の水温変化は湖と違い外気温の影響を受けやすい。朝、昼、晩でめまぐるしく変わる水温に順応しているナマズもさすがにこの寒波はきつかった?

 釣ってる自分はもっときつかった。買ったばかりの長靴で蛇籠の太い針金を踏み抜いてしまい、冷たい川の水が靴下を濡らし一気に戦意を喪失。数投で退散。

 翌日は相当温かくなると天気予報で言っていた。冬のバスも雪が降り続いた後、晴れて暖かくなるとすっごく釣れたりするんで、明日に期待。


 翌日の夕方、水深1m、水温16度、ゆるーい流れの下流にダイイングフラッター をキャスト、水面下には台風などによる増水でめくれ上がった川底のコンクリートのかたまりが重なりいかにもナマズが潜んでいそうなポイントだ。

 スイッシャーなのにあえて飛沫を飛ばさないようにゆっくり、ゆっくりひいているとルアーの後ろに魚の気配。3投目にもルアーの後ろにモワッと波紋。

 とにかく釣って写真を撮らなければ と思い、奥の手を使ってしまった。ダイイングフラッターのリアフックを外し20センチのナイロンリーダーを結びディアヘアーを刈り込んだ巨大マドラーミノー?を付け、同じ所へキャストした、ペラが回らない位ゆっくり巻いてると冬とは思えない激しいバイト!餌で食わせたみたいでちょっと罪悪感。



 数日後、暖かい日の昼間に海の近くの一年中濁っている川へ行ってみた、昼間はストラクチャーにぶつけるような釣りになるのでフロッグタイプのデントスでじゅうたん爆撃だ。釣り始めてみたら、見るからに釣れそうな沈んだ土管やブッシュの影はダメで、シェードがあるの?っていうくらいパラパラのウィードの下から元気よくバイトしてきた。

 昼間のクリヤーウォーターだとふらふら泳いでいるのをサイトで狙うか、ストラクチャー狙いになるけれど少しでも濁っていたら夜とおんなじ攻め方出いいと思った。


 このエリアは日中の4時間で5発出て1回も乗らなかったが、冬とは思えない激しい追い食いがあったり、デントスが空中に飛ばされるバイトあり、で楽しいひとときだった。冬でもポカポカ暖かい日中に濁りのある川へ行けば結構楽しめます。


 数日後、夜の外気温はどんどん下がり続け、ついに空気中より水中の方が暖かくなる日がやってきました。すると川面から湯気が立ちはじめます。この時期は注意して見ていると湧き水の多い場所や温排水の出ているところが解ります。

 狙ったのは昼間、コサギの20羽ぐらいの群れが居たエリア(ベイトフィッシュが多い)の流れ込みの下、硬い粘土質のテーブル状で水深は10センチ位の超シャロー。ここに居るのはフィーディングに来ているナマズなのでキャストのコースがバッチリ決まれば一発で食ってくるはずだ。それにしても寒い。

 静かに静かに忍び寄ってキャストしたジッターバグ3/8ozは1投目で川底に根掛かりしてしまった。無理やり外そうとすれば20ポンドのラインなんで回収できるけれどポイントが潰れてしまう。どうしよう?と考えながらもロッドを持つ手は軽いシェイクを続けていた、すると根掛かりが外れたジッターバグが水面に浮き上がった瞬間ガボッ!と出た。

 こういうくわえ方をされてもし3本針のトリプルフックを使っているて上顎と下顎に刺さってしまったらプライヤーの入る隙もないのでナマズを殺してしまうことに!どうかこれからナマズのルアー釣りを始めようとしている人達はダブルフックを!返しを潰したバーブレスを!使ってなまず釣りを楽しみましょう。


● 使用タックル

ロッド ナマンチュNAZ-66M、NAZ-69M
リール シマノスコーピオンXT、シマノカルカッタ100XT
ライン ヨツアミ ニトロン TypeU 20ポンド(ナイロン)  



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