村中 義明
(W.B.S.プロメンバー スミスサポートプロ)



『桧原湖アフタースポーン攻略!』


 WBS第3戦に向けて桧原湖にプリプラクティスに行って来ました。ボートを浮かべると水温は17℃程度でシャローにはネストがチラホラと確認出来る状況でした。
 今回のプラクティスでは明確なテーマがあり、それは既にスポーンを済ませてアウトサイドに移動したスモールマウスのレンジを把握することでした。

 桧原湖のアフタースポーンバスの動きは大きく二通りに分ける事が出来ます。一つはシャローに留まり横に動いてシャローカバーに付く個体。二つ目はシャローを離れて沖のハードボトム帯やグラスパッチに移動する個体です。自分の場合、桧原湖では後者の動きをするバスの方が狙いやすく、トーナメントで短時間のうちに5フィッシュリミットを固め釣りするには効率が良いと考えています。なので、今回はリミットメイクのベースとなる魚の動きを把握しておきたかったのです。


 早い段階でスポーンを済ませたバスは大型の個体が多く季節先取りの動きをします。これから水温が上昇してアーリーサマーパターンに向かって行くわけですが、一度オフショアに出たバスは水通しを求めてどんどん沖にシフトして行きます。ちょっと荒っぽい考え方なのですが、この季節は一番沖に出ている(深いレンジにいる)バスが最もサイズが望めるのです。

 さらに季節が進むと小さいサイズのバスもオフショアで釣れる様になり、いずれサチってしまうのですが、まだシャローにネストがある状況ではオフショアの魚がグッドサイズで連発する可能性を秘めていました。


 桧原湖のベイトフィッシュと言うとワカサギのイメージが強いですが、ワカサギは一年魚ですので6月初旬までの産卵行動で死滅して大多数の成魚は減少してしまいます。ですのでこの時期のバスのメインベイトは甲骨類やハゼ類になります。ハードボトム帯やグラスパッチには甲骨類やハゼ類が豊富に生息しているので産卵後で餌を食べて体力回復したいバスが集まりやすいという訳です。

 この様なハードボトム帯やグラスパッチは目に見えないため、魚探を駆使して探し出すことになりますが、効率良く見つける為の指標として周囲の山肌を見ると良いです。山の尾根の延長線が湖に向かって伸びている様な場所は水中も同様に伸びていてハードボトムを形成している可能性があります。また、谷の部分は山に降り注いだ雨が流れ込むので、延長線上の水中には伏流水(湧水)がある可能性があり、そう言ったスポットにはグラスが生えやすくなります。

 具体的な釣り方としては、バスは基本的にボトムにいる餌を捕食しているので、この時期はボトムスレスレを這わせやすくスナッグレス性が高いキャロライナリグが扱いやすくとても有効です。


 そんな訳で、先ずはバスのレンジを探すべくスポーニングフラット沖にハードボトムとグラスパッチが点在するエリアで、ショアから直角に浅い側(2m)から深い側(8m)へキャロライナリグをドラッギングすることからスタートしました。

 この釣り方では直ぐに答えが見つかりました。2.5〜3mレンジのグラスパッチで食ってくるバスは400g程度でしたが、4〜5mレンジのハードボトムを狙うとバイト数は減るものの明らかにサイズアップが望め、700gオーバーのナイスキーパーが混じる様になりました。


 アフター初期のバスはネスティングによってヒレが壊れた団扇の様にサクサクなのですが、時間と共に徐々に回復してきます。釣れたバスのヒレの回復度合いでそのエリアのバスの遊泳力やコンディションを判断して行きます。

 アフター直後は体力を回復する為に餌をガンガン食いたいので比較的ボリュームのあるソフトベイトも果敢に食って来ますが、飽食してヒレが回復して遊泳力が付くとボリュームのあるソフトベイトは良く観察するようになり見切って偏食する様になります。

 こうなってくると積極的に口を使う時間や状況の見極めが重要になって来ますし、食い気の無い魚に口を使わすにはシャッドプラグのドラッギンジャークなどでリアクティブに食わすか、ソフトベイトのサイズをダウンする必要があります。グッドサイズのバスが生息する有効なレンジを探すと同時にヒレの状態もチェックして釣り方やルアーをアジャストさせる必要がある訳です。


STRATEGY TOURLER V-Spec TVS-67MLプロト
キャロライナリグにもベストマッチです!

プラに付き合ってくれた田島君も初桧原Fish!

 そうした事柄に留意しつつ、最初のエリアで見つけた水深を手掛かりに湖のほぼ全域を周り、同様の釣り方でエリアごとの魚のコンディションと有望なレンジをチェックする事が出来ました。


 次週は今回見つけた魚の動きを追い掛けつつ、もう一つのパターンであるシャローの状況をチェックしたいと思います。簡単ではないですが入れ替えを狙えるようなテリトリー意識が強いデカイ魚を狙って釣るのはシャローパターンに分があるので、5フィッシュリミット後の展開としては無視出来ません。

 さて試合は2週間後です。はたして2週間後の桧原湖はどんな状況になっているのでしょうか?試合後にまたレポートしたいと思います。


● メインタックル

ロッド STRATEGY TOURLER V-Spec TVS-67ML Proto “Rocket Taper Transfer”
ライン FCスナイパー4lb
ルアー 3/16ozキャロライナリグ 4inchリングワーム、ゲーリーテナガホッグ

ロッド STRATEGY TOURLER STS-65DS/SUL
ライン FCスナイパー2.5lb
ルアー 1/8ozキャロライナリグ ゲーリーオケラ、3inchリングワーム

偏光グラス α-Sight シャンパンイエロー



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