『10/20 相模湖釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



10月20日 相模湖

 相模湖という首都圏近郊のフィールドに関しては、一般的に「魚がスレている」「釣れない」というイメージを持っている人が多いことと思う。かつては自分もそうだった。ところが数年前に足を運んでみてそのイメージから変わりつつあることがわかった。岸沿いに見えるバスの姿もそれなりにいるし、実際に小バスが数釣れた。
 そして今年はまだ足を運んでいなかったのだが、数年前の小バス達も少しは成長したかもしれないし、たまにはスピニングタックルで繊細な釣りを楽しみたい気持ちもあって今回は相模湖に足を運んでみたという次第。

 この日、日相園さんの貸しボートは予約で一杯だったそうで、駐車場も満車という盛況ぶり。但し、それが湖上に散るとさほど気になるレベルではないというのが相模湖のうれしいところ。土日であっても自分の考えに沿ったゲーム展開が楽しめる。週末ともなると湖上が大混雑で思うようにポイントに入れないようなフィールドもあるので、この点は私のようなウィークエンドアングラーにはとてもありがたい。


 この日の湖のコンディションはほぼ満水で、水温は17度台。水の色はささ濁りといった印象だったが、風下側には若干のアオコのようなものが浮いていた。偏光グラスを掛け、岸沿いに見えバスの姿を探したが全くいない。



 自分自身の判断でゲームを組み立てたいと考える私は、事前情報の収集は一切行わない主義。通い慣れた釣り場というわけでもないので、まずは状況把握をする必要があった。こんな時、私はまずクリークの出入口から探るようにしている。あくまで大雑把な判断だが、クリークの中が良ければ川筋をメインに考えるだろうし、クリークの外側が良ければメインレイク側を中心に攻めていくといった具合だ。しかしこの日はその判断を迷う結果となった。

 一番に狙っていたのは吉野ワンドの出入口。だがこの日は私が狙っていた場所に3艇ほど先行していたため、対岸の揚沢からスタート。出入口付近は魚探のフィッシュアラームが鳴りっぱなしだったがクリークの奥へ進むほど何も映らなくなった。奥の方にいたヘラ釣りの人たちもさっぱりだったようで、早々に揚沢から移動していった。

 案の定、バスの反応があったのはやはりワンドの出入口付近のみで、スパイニーアックスで2本の小バスと28cmほどのバスを1本キャッチした。小バスが多いのは相変わらずだと思ったが、28cmほどのバスは数年前に沢山いた小バスが成長したものだろう。

 そうこうしているうちに私が狙っていた吉野ワンドの出入口が空いたのですかさず入る。さすがに先行艇が散々叩いた後だけあって反応は渋かったが、スパイニーアックスで3本を絞り出した。但し、全て小バスで、中には左写真のような手のひらサイズまで釣れてしまう始末。
 やはり相変わらずこのサイズが中心なのか?数年前の小バス達は成長して残ってはいないのか?

 なお、吉野ワンド内は浚渫船が航行する関係で岸沿いにオイルフェンスが巡らされ、釣りは遠慮して下さいとの看板があったために進入するのを止めておいた。


 揚沢ではワンド奥に進むほど魚の反応が薄かったこともあり、以降はメインレイクの岸沿いを流していった。以前、同時期に数釣れたエリアでもあるので期待していたのだが予想が外れ、全くアタリがない。レンジが違うのか?とディープにまで手を出したが答えは返って来ず、ドツボにハマってしまいそうな嫌な展開。しかしそれを打開出来ぬまま、数時間が経過してしまった。

 目に付いたのは勝瀬橋の旧橋の残りであるコンクリート壁。桂川筋の出口とメインレイクの交差する場所に位置し、水通しという面では相模湖でも随一だろう。私自身も以前に何本かのバスをキャッチしている実績場所だ。

 壁に向かってスパイニーアックスをキャストし、延々と沈めていった。かなり深いレンジまで沈めたあたりで微かなバイト。久々のバイトだなと思いながらスィープフッキング。直後はさほど抵抗なく上がってきたのでまた小型かと思いながらリールを巻いたが、突如として魚が反撃に出た。ドラグが鳴りっぱなしで止まらない。

 フロロ3lbのライトタックルで釣っているという理由もあるが、寄せては潜られの攻防が数分間に渡って続く。間違いなく今年一番のロングファイト。オープンウォーターなので私が焦ってヘマをしない限りは大丈夫だが、マスバリを使っているので掛かりどころだけが気掛かりだった。もしも飲まれ気味だったら歯で擦れてラインがやられる。あまり時間を掛けているとまずい事になる。

 しかし最後はロングファイトを制してネットイン。付近で一部始終を見守っていてくれたアングラーからも祝福の言葉を頂く。実はファイト中は50cmクラスの可能性も頭をチラついていたのだが、キャッチしたのは43cm。でも私はこれまでなかなか相模湖のグッドサイズに恵まれなかったので、充分に嬉しいサイズだ。ちなみにマスバリは唇のいい位置に掛かっており、歯でラインが擦れる心配はなかったようだ。

 しかし、その後は再び苦戦。43cmのバスをヒントにして水通しのいいメインレイクのポイントを丹念に攻めたが、まるっきりバイトが得られることはなかった。


 15:00を回った時点で日相園前に戻ってきた。残り1時間はこの周辺を丁寧に探ってみることにした。
 日相園前は旧日蓮橋の橋桁跡が沈んでいるなど、地形変化に富んだ場所。加えて、大会後には検量されたバスが日相園の桟橋からリリースされることで魚影も濃い。反面、一日中ここを攻めるアングラーの姿が途絶えることはなく、プレッシャーもまた半端ではない。

 まずは魚探で旧橋桁跡の段差部分を見付け、スパイニーシャッドのダウンショットリグをキャストした。水通しの良い場所ゆえにベイトフィッシュも多いだろうと考え、カラーはナチュラルプローブルーをチョイス。

 確実にボトムを取りながら丹念にシェイクしているとジワッと重くなるようなバイト、30cm弱のバスをキャッチ。さらに続けているとガツガツッと明確なバイトがあり、同じ位のサイズをキャッチした。不思議とここでは小バスは全く釣れなかった。

 あと1本釣ってツ抜けにしようと思ったのだが、16:00を回ってしまったのでゲームオーバー。



 1年以上振りに訪れた相模湖であったが、相変わらず小バスが多いとの印象も受けたものの、数年前の小バスが成長したのであろう個体も複数釣れた。マグレではあったが、良いサイズも1本混ざった。

 少なくとも自分には、かつての「釣れない相模湖」のイメージはもうない。都心からも近く、土日でもさほど混まない、しかも釣れる、となればこれはなかなか魅力的なフィールドと言っていいのではないだろうか。

この日はスパイニーアックス(ウォーターメロン
ペッパー)で7本、スパイニーシャッド(ナチュ
ラルプローブルー)で2本という結果でした。


【使用タックル】

ロッド ツアラー STS-63改
リール ダイワ 2004
ライン FCスナイパー 3lb.
ルアー スパイニーアックス(ワッキーリグ)
タングステンネイルシンカー1/64oz、ガード付マスバリ#5

ロッド ツアラー STS-63改
リール ダイワ 2004
ライン FCスナイパー 3lb.
ルアー スパイニーシャッド(ダウンショット)
3gシンカー、キールバランスフック#2

偏光グラス α-sight 50 シューティングレッド



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