ネットで復活?!こちらスミス開発室


さて、第一弾の今回はNEWトラウトミノー「ルナ」です。
早速、開発担当の小笠原俊男に話を聞きました。どんな話が飛び出すやら・・・



今週はどの馬が来るんだろう・・・
<ルナ開発こぼれ話その1:スイムテスト編>

 

新製品のトラウト用トゥイッチングミノー「ルナ」のスイムテストが行われたのは1999年の10月、所は鹿留。


これがボディフォルムの原型だっ!!
この段階になるとルアーの完成度は50%程度で、ボディフォルムはすでに完成済み、いよいよ動きを左右する最も重要な機能テストに入るってところです。

● 50を超えるプロトサンプル
ウェイト違い、リップ違い、ラインアイの角度違いやら、その数は1アイテムあたり50を優に超えてしまう。そんな数をフィールドでテストするとなれば途方もない時間を費やすから、まずは水槽で10個程度まで絞り込むワケ。
この時点で先が見えないようなルアーは、経験上かなりの苦労を強いられるよね。
気にくわなければゼロから、なんて事もあり得るわけで、その点ルナは優等生の部類に入るなかなかの出来だったかな。


これがテスト用サンプル。
フックにご注目!
● ハデハデ・落書きだらけのプロトモデル
プロトサンプルのボディやリップには細かくデータが書き込まれ、背中は動きがよく確認できるようにオレンジやチャートルースで塗装するんだ。ルアー開発者にとっては大事な大事な宝物ってところだね。
パーツはこの段階では全て仮付けだから、フックを内側に曲げて魚がかからないようにしてしまう。外しちゃうとバランス自体が崩れるからね。
この段階ならまだ、魚のいないプールやなんかでやるって手もあるんだけど、やっぱり魚の反応もしっかり見たいからね。

● テストでは魚を釣らない?!
でも魚釣りに行って、わざわざ魚が釣れないようにしているわけだから、知らない人が見たらおかしな奴だと思うんだろうね・・・
でも不思議に、かかる魚はかかっちゃうもので、活性の高い奴とか、とびきりデカイ奴に限ってガッポリと丸呑みするわけ。で、そのままアワセをくれなければ吐き出すものを、そこは釣人の悲しき性で、頭ではわかっているのについつい勝手に手が動いちゃうんだよ!
抵抗をグン!と感じて、ヤバイ!と思った瞬間、時すでに遅し、アフターカーニバル(後の祭り)。

● 魚かかるな!!
時としてルアーが縦になり、つっかえ棒状態になって魚の口にガッチリはまり込んじゃったりもする。
こうなると始末が悪いのなんの、魚にしてみれば苦しくてしょうがないから、もがく・暴れる・のたうちまわるで勝手し放題。ドラッグ、スースーだからね。
こっちとら、寄せようにも寄せられない。大口開けてるから当然抵抗もあるし。
こうなるとさすがに慌てるね、なにしろお宝だから。
それに、魚の反応がいいということはルアーの出来もいいって事。つまりそのルアーはお宝中のお宝ってことになるから、ホント冷や汗もの。


ベリーの数字はお宝の証。
● 求むお宝?
そんなわけで、釣り場で見たことも無い、やたら数字の書いてあるルアーを取得された方は、是非、是非、ご連絡を!!!

 

次回は引き続き、ルナ開発こぼれ話で「動きとカラーバリエーション」編を掲載する予定です。
乞う御期待を。それまで、Good Luck&Good Fishing.

by T.Ogasawara




[ 開発室トップへ ] [ トップページへ ]


(C) Copyright, 2000 SMITH LTD. All rights reserved.